ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告の運用を考えたとき、まずターゲティング広告の基本的な知識を身につけることが重要です。ターゲティング広告とは、ユーザーやコンテンツの内容を分析して、それぞれのユーザーに対して適切を思われる広告を配信する方法を言います。
この記事では、ターゲティングの基本的な内容から、実際にターゲティング広告やライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告を運用していく流れについて、成功事例を踏まえながらご紹介しています。
「ターゲティング広告って聞いたことがあるけど、どんなものなのか初歩的なことから知りたい!」
「これからWeb広告の配信をしたい!」
「今の広告をもっと効率よく出したい!」
このように考えている方は、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
ターゲティングの基礎知識
ターゲティングとは、一言でいうと「勝負する市場」を選ぶことです。ここでの市場(セグメントとも言います)とは顧客を指し、ターゲティング=狙うべき顧客を決めるとも言い換えることができます。
たとえば、池の中の魚を釣りたいと思ったとき、あなたはどんな餌を選ぶでしょうか。
その池の中には、さまざまな魚がいます。魚によって好きな餌、嫌いな餌もあるでしょう。あなたが欲しい魚が決まったら、次はその魚が好きな餌を選ぶはずです。
この好きな魚を選ぶということが、ターゲティングに当てはまります。
池(市場)の中にいる魚(顧客)が好きな餌を選んでこそ、魚は釣れます。逆に好きな魚をしっかりと見極めずに釣りをはじめてしまうと、望んでもいない魚が釣れてしまうことがあるでしょう。場合によっては餌(予算、コスト)だけ使って、結局、魚は釣れないということもあり得ます。
ビジネスにおいては、いかに少ない予算やコストで、成果を出すかが大切です。ターゲティングは、それを実現するため重要な施策と言えるでしょう。
ターゲティング広告の仕組み
次に、ターゲティング広告について解説します。ターゲティング広告とは、Webサイトやコンテンツを閲覧しているユーザーの登録情報や閲覧履歴から、そのユーザーに対して適切だと思われる広告を配信する方法です。
ターゲティング広告の配信方法
ターゲティング広告は、各ブラウザにデータとして蓄積されているサイトの閲覧履歴などの情報を元に、広告を配信するようになっています。
なお、ここで蓄積された情報には、個人を特定するような情報は含まれません。
ターゲティング広告にはどんなものがある?
ターゲティング広告には次のような種類があります。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
- デバイスターゲティング
ひとつずつご紹介していきます。
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、決まった広告の枠に配信をするのではなく、特定のユーザーに対して広告を配信する方法です。
この配信方法は、Webサイトやコンテンツの関係性は考慮されません。例えば、堅いニュースのコンテンツを見ていたとしても、ユーザーの閲覧履歴によってゲームアプリの広告が表示されることがあります。
特に、Webサイトの訪問履歴や商品、サービス紹介ページの閲覧履歴、購入履歴を元にターゲティングを行う広告を「リターゲティング広告」といいます。
コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングは、オーディエンスターゲティングを使わずに、Webサイトのコンテンツ内容を元に広告を配信する方法です。
たとえば、京都周辺のホテル予約サイトを閲覧しているユーザーは、今後、京都に旅行または出張などで訪れる可能性が高いと言えます。
その閲覧データを元に京都周辺のレジャー施設、飲食店、お土産などの情報を表示させるのが、この広告の特徴です。ユーザーが何を求めているのかを読み取り、配信するため、高い費用対効果が期待できる方法と言えるでしょう。
デバイスターゲティング
デバイスターゲティングとは、ユーザーが利用しているデバイス(パソコンやスマホなどの端末)の情報を元に広告を配信する方法です。
たとえば、パソコンで使用するセキュリティソフトの広告をスマホで配信をしても、広告の効果はそれほど期待できません。広告をパソコンに絞って配信させたほうが、コンバージョンにつながる確率は上がるでしょう。
このように、商品やサービスに合わせてどのデバイスで表示させるのが一番いいのか吟味し、的確に配信するのがデバイスターゲティングです。
ターゲティング広告のメリット
ターゲティング広告には次のようなメリットがあります。
- 成約率を上げることができる
- 広告の費用を抑えることができる
順番に解説します。
成約率を上げることができる
ターゲティング広告を利用すれば、広告の商品、サービスの成約率を効率よく上げることが可能です。
ご説明したとおりターゲティング広告は、ユーザーの閲覧履歴を元に広告を配信します。ウォーターサーバーに興味を持っているユーザーに対して、ウォーターサーバー関連の広告を配信すれば、全く興味のないユーザーに対して広告を配信するよりも効果が高いことは間違いないでしょう。
広告の費用を抑えることができる
広告の費用を抑えることができるのもターゲティング広告のメリットです。
テレビのCMや新聞の折込チラシといったものは、ユーザーをほとんど絞ることができず、また見てくれたかどうかも調べることも難しいので、広告費用を無駄にしてしまう可能性があります。
しかし、ターゲティング広告であれば、興味や関心のあるユーザーに絞って広告を配信できるため、闇雲に打つよりも費用をおさえられます。また、「クリックした、していない」「購入した、していない」などのデータも収集できるので、次の広告配信に向けて仮説検証を行い、より費用対効果の高い広告配信に繋げられます。
ターゲティング広告と成功事例
ここで、ターゲティング広告を利用した成功事例について、ご紹介します。
リピート型の通販サイトで、3日以内のコンバージョン率を75%にした事例
マーケティングをするときに「自社サイトに訪れたユーザーに対して、なんとなく30日間くらいは追いかける」というように、漠然と考えてはいないでしょうか。
通販サイトを展開しているA社では、ユーザーのリストを3日、10日、30日という分類で分けており、「サイトに訪問をして3日以内、コンバージョンしていないユーザー」に対しては広告の費用を高めに設定、「サイトに訪問して11日~30日で、コンバージョンしたいないユーザー」に対しては広告費用を低めに設定をしています。
なぜこのような設定にしたのかと言うと、サイトに訪れたばかりのユーザーは、商品に対する興味や関心が強く、コンバージョンする可能性が高いからです。結果として、この通販サイトは、3日以内に分類したユーザーのコンバージョン率を75%にまで高めることに成功しました。
位置情報ターゲティングで月平均コンバージョンを7倍にした事例
トランクルームの運営をしていたB社は、Web集客の効率改善が目的でした。
そこで全国の300以上ある店舗に対して、次の施策を実行。
「全店舗の住所をアカウントに登録し、1~3キロメートル圏内の入札を強化」
「エリアで分かれていたキャンペーンの種類を3つまでに集約」
「登録キーワードに対応させる広告カスタマイザーは市区郡レベルまで、ランディングページはキーワードごとに県別の検索結果ページに設定」
これにより、40個近くあったキャンペーン数は3個になったものの、月平均コンバージョン数は36件から254件までに増加するという結果となりました。
【新築分譲マンション】ターゲティングにより、レスポンス率を大幅に向上させた事例
新聞の折込チラシや住宅情報誌に広告を掲載していたC社は、あまり効果が出ずに悩んでいました。
そこで、ターゲットを「物件の最寄り駅、沿線の賃貸住宅に住んでいる」かつ「世帯年収800万以上で、子供がいる30~39歳までの世帯」に絞って広告(ターゲティング広告)を配信。その結果、資料請求、来場、購入などのレスポンス率が大幅に上昇しました。
他社サイトを利用するライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告とは?
ここまで、ターゲティング広告の特徴や成功事例についてご紹介してきました。次に、リターゲティング広告の派生系でもあるライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告について解説します。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告とは、リターゲティング広告をさらに進化させた広告配信の方法を言います。
リターゲティング広告とライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告の大きな違いは、広告の配信先です。前者はユーザーが閲覧しているWebサイトやコンテンツに対して、後者はユーザーが閲覧しているWebサイトのURLに対して広告を配信します。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告にはどんな特徴がある?
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告では、競合サイトのURLに紐づけて広告を配信するため、自社がまだ顧客として囲い込めていないユーザーに対しても広告を配信できます。
その結果、自社サイトへ効率的に誘導ができるため、広告費の削減にもつながります。
また、ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告では広告素材のABテストを行います。このABテストは既存ユーザーだけでなく、潜在ユーザーに対しても実施可能です。そのため、広告素材の訴求力を高めた状態での広告を表示させることもできます。
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告と既存の広告の違いをまとめると以下のとおりです。
広告 | 特徴 |
---|---|
既存の広告 | ・効果が見えにくく、対策がしづらい ・露出が少ないため、コンバージョンに繋がりにくい ・ABテストがない、または限定的にしかない ・契約期間が長く設定されがち |
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告 | ・効果測定が行われるので具体的な検証、仮説が立てやすい ・ABテストの回数が多く、理想の形に近づける ・短期間でも効果がわかる |
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告の導入企業
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告を利用している業種は次のとおりです。
- 遺品整理・特殊清掃
- 不動産売買
- 結構相談所
- 人材派遣
- 美容通販、美容クリニック
- アパレル通販
- 専門学校、など
ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告は、対人を必要とする商品やサービス、物販、学校といった形で有形、無形のサービスを問わずさまざまな業種で成果を出しています。
まとめ
現在、Web広告は、企業が集客をする上でなくてはならない手段です。
限られた予算の中でいかに集客をするのかが、企業の生命線とも言えるでしょう。「限りある資源で最大限の効果を上げたい」とお考えの方は、ぜひ、ライバルマーケティング(ライバルターゲティング)広告を検討してみてください。
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