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法人税の節税と決算対策を税理士が徹底解説|時期別33の具体策と令和6-8年度改正対応

法人税の節税と決算対策 アイキャッチ

決算期を迎える法人経営者にとって、 法人税節税と決算対策は年1回の最大の節税機会 です。決算3か月前からの中長期対策、1か月前の短期対策、直前の駆け込み対策を効果的に組み合わせることで、法人税を数百万円〜数千万円規模で圧縮できます。

しかし、節税策の選択を誤ると 税務調査で否認されて本税の3〜4倍の追徴課税 、あるいは 過度な節税で翌期の資金繰り悪化 という致命的なリスクに直面します。特に令和元年の法人保険規制強化、令和6年の経営セーフティ共済改正、令和8年度新設の設備投資促進税制など、近年の税制改正により節税設計の前提が大きく変わっています。

この記事でわかること

  • 法人税節税と決算対策の基本戦略
  • 決算3か月前から始める中長期対策9選
  • 決算1か月前の短期対策12選
  • 決算直前に即効性のある対策9選
  • 繰延型節税と恒久型節税の使い分け

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この記事でわかること

  • 決算3か月前から始める中長期対策9選
  • 決算1か月前の短期対策12選
  • 決算直前に即効性のある対策9選
  • 繰延型節税と恒久型節税の戦略的使い分け
  • 税理士が提案すべき黄金パターン(利益規模別)
  • 決算対策でやってはいけないNGパターン10選
  • 業種別・利益規模別の最適プラン
  • 令和6〜8年度税制改正の対応策

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目次

法人税節税と決算対策の基本戦略

法人税節税と決算対策の基本戦略の要点を整理した図

法人税の仕組みと実効税率

日本の法人に課される税金は、国税である法人税のほか、地方法人税・法人住民税・法人事業税があり、これらを合算した 法人実効税率は約30% です(資本金1億円以下の中小法人の場合、 年800万円以下の所得に対しては約22%の軽減税率)

資本金区分 所得区分 実効税率
中小法人(1億円以下) 年800万円以下の所得 約22.39%
中小法人(1億円以下) 年800万円超の所得 約33.58%
大法人(1億円超) 全所得 約29.74%

つまり、利益を100万円減らせば約30万円の税金が減る計算になります。ただし、減らした利益と同額の現金が流出するため、節税対策は必ずキャッシュフロー全体で評価する必要があります。

決算対策の3つのフェーズ

決算対策は 時期により打てる手が変わります 効果的な対策は事業年度全体を通じた計画的な実施が前提です。

フェーズ 時期 主な対策
中長期対策 決算3〜6か月前 設備投資計画、保険加入、退職金準備
短期対策 決算1〜2か月前 共済前納、賞与決定、消耗品購入
直前対策 決算月〜月末 未払計上、短期前払、貸倒処理

節税の4大方針

税額だけでなく資金繰りと将来の課税まで比較することが重要です

節税対策の4つの方針

  1. 損金算入額を増やす(経費計上・引当金計上・減価償却前倒し)
  2. 益金計上を繰り延べる(収益認識の適正化・前受金処理)
  3. 税額控除を活用する(賃上げ促進税制・研究開発税制等)
  4. 税率軽減措置を活用する(中小法人の軽減税率・事業承継税制等)

繰延型節税と恒久型節税の区分

節税対策は大きく2種類に分類され、 選択には明確な戦略が必要です

区分 定義 代表例 出口戦略
繰延型節税 支出時損金→解約時益金 経営セーフティ共済、法人保険、オペレーティングリース 退職金等で相殺が必須
恒久型節税 完全に税負担軽減 役員退職金、少額減価償却資産、税額控除、賃上げ促進税制 不要

繰延型は将来の益金計上時に退職金・設備投資など相殺できる損金を用意できない限り、単なる納税の先送りになります。税理士が顧問先に提案する際は、この区分を明確に説明する必要があります。

決算3か月前から始める中長期対策9選

決算3か月前から始める中長期対策9選の要点を整理した図

設備投資計画の立案と即時償却制度の活用

中小企業経営強化税制・少額減価償却資産の特例・令和8年度新設の特定生産性向上設備投資促進税制など、 即時償却できる制度は設備規模と種類で選択 します

スキーム 対象 節税効果
少額減価償却資産特例 30万円未満(R8.4〜40万円未満) 年300万円まで全額即時損金
中小企業経営強化税制 機械装置・器具備品等 100%即時償却 or 10%税額控除
特定生産性向上設備投資促進税制 機械・建物・構築物等 100%即時償却 or 7%税額控除

法人保険による役員退職金原資の準備

令和元年6月の規制強化以降、 法人保険は解約返戻率により損金算入割合が区分されます

最高解約返戻率 資産計上割合 節税効果
50%以下 全額損金 解約返戻金少だが全額損金で効率高
50%超70%以下 40%資産計上 一部損金で中長期の保障+積立
70%超85%以下 60%資産計上 40%損金で長期退職金積立
85%超 60〜90%資産計上 10〜40%損金で長期積立

経営セーフティ共済への加入

中小機構運営の倒産防止共済は 月額最大20万円・年240万円・総額800万円まで全額損金算入 、 40か月以上で100%返戻される優秀な繰延型節税ツールです 令和6年10月改正で解約後2年間の再加入後掛金は損金不算入となりましたが、新規加入と40か月超継続の節税効果は変わりません。

オペレーティングリース投資

航空機・船舶・コンテナ等を対象としたオペレーティングリース契約で、 初年度に取得価額の60〜80%が減価償却費として損金算入 できます 高額利益が出た年の大型節税策として活用されますが、リース期間終了時に多額の益金計上(売却益)が発生するため、退職金・設備投資と連動した出口設計が必須です。

不良債権の貸倒処理準備

取引先の経営悪化で回収困難な売掛金は、 決算前に 法人税基本通達9-6-1〜9-6-3 に基づいた貸倒処理の準備が必要です

  • 法律上の貸倒れ(会社更生法の認可決定等)→全額損金
  • 事実上の貸倒れ(債務超過の状態が相当期間継続)→全額損金
  • 形式上の貸倒れ(取引停止後1年以上経過)→備忘価額を除き損金
  • 催促状の送付・返答なし等の書面催告記録を整備

棚卸資産の評価損計上

陳腐化・破損した棚卸資産は 評価損を計上して損金算入 できます(法人税法33条、施行令68条)

  • 著しい陳腐化(型崩れ・色落ち・破損)
  • 過剰生産による余剰在庫
  • 季節商品の売れ残り
  • 技術革新による旧モデル化

不要固定資産の除却・廃棄

使用していない固定資産の 除却損 は 全額損金算入可能です

  • 老朽化した機械設備の除却(産廃処分証明書で証明)
  • ソフトウェアの廃棄(利用停止証明)
  • 建物の解体(解体業者の証明書)
  • 有姿除却(物理的廃棄なしでも使用停止で除却認定可)

所得拡大促進税制(賃上げ促進税制)

令和6年度改正で拡充された 賃上げ促進税制 は、 中小企業者等が次の要件を満たすと大幅な税額控除を受けられます

要件 税額控除率
給与総額1.5%以上増額 増加額の15%
給与総額2.5%以上増額 増加額の30%
教育訓練費10%以上増額 +10%
子育てと仕事の両立支援等 +5%
合計最大 45%控除

税額控除なので完全な恒久節税となり、賃上げによる従業員満足度向上と税負担軽減が両立します。

研究開発税制の活用

試験研究費の一定割合を法人税から控除できる制度です 中小企業者等は試験研究費の12%(上限法人税額の25%)が税額控除できます。令和5年改正で「オープンイノベーション型」「共同研究型」の特例も拡充されています。

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決算1か月前の短期対策12選

決算1か月前の短期対策12選の要点を整理した図

経営セーフティ共済の年払い前納

月払いから年払いへの変更申出で、 最大240万円(月20万円×12ヶ月)を一括損金算入 できます 決算月の前月末までに「前納申出書」を提出することが条件です。

決算賞与の支給

決算賞与は 要件を満たせば当期の損金に算入できます(法人税基本通達9-2-43)

決算賞与の損金算入3要件

  1. 支給額を各人別に支給日の1か月前までに通知
  2. 通知した全員に支給日から1か月以内に実際に支給
  3. 支給額を当期に損金経理(未払金計上)

中小企業投資促進税制の利用

中小企業者等が 機械装置(160万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)、車両運搬具(3.5トン以上の貨物自動車) を取得した場合、 30%の特別償却または7%の税額控除が選択できます

中小企業経営強化税制の適用申請

経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等が対象設備を取得する場合、 100%即時償却または10%(資本金3,000万円超は7%)の税額控除 が選択適用できます 認定申請には2か月程度必要なため、決算2〜3か月前から準備が必要です。

役員賞与の事前確定届出給与

役員賞与は原則損金不算入ですが、 事前確定届出給与 を税務署に届け出ることで損金算入が可能になります 届出は株主総会決議から1か月以内または事業年度開始の4か月以内のいずれか早い日までとなっており、決算月直前では間に合わないため中長期対策に含まれます。

使用人兼務役員の賞与の活用

使用人兼務役員の使用人部分の賞与は、 通常の従業員賞与と同様に損金算入できます 家族役員を使用人兼務役員として設計することで、役員賞与制限を回避しつつ所得分散が可能です。

出張手当の非課税活用

旅費規程に基づく出張手当は 実費精算でなくとも非課税 (法人は損金・個人は 課税なし)で支給できます 通常必要と認められる範囲であれば日当・宿泊費が非課税となるため、頻繁な出張がある役員・従業員の所得分散策として有効です。

社宅制度の導入

社宅家賃の「賃貸料相当額」の算定により、 実質家賃の50〜80%を法人負担 にでき、 役員・従業員個人の所得税負担を軽減しつつ法人の福利厚生費として損金算入できます

社員旅行・慰安旅行の実施

社員全員参加の慰安旅行(4泊5日以内・参加率50%以上)は 福利厚生費として損金算入 可能です 役員だけの旅行は給与扱いとなるため要件確認が必須です。

健康診断・人間ドックの実施

役員・従業員の健康診断費用は 全額損金算入 できます 社長のみの高額人間ドックでも、会社の定期健康診断規程に基づく実施なら損金算入可能です。

固定資産税の前納

固定資産税は納期到来時に損金算入しますが、 納期前の前納分も 一時の損金として処理可能 です 1〜4月の納期を決算期内に前納することで当期損金を増やせます。

源泉所得税等の納期特例の活用

従業員10名未満の小規模法人は 源泉所得税の 納期特例(半年分を年2回納付) が使えます 決算月の納付時期をずらすことで資金繰りと損金計上時期の調整が可能です。

決算直前に即効性のある対策9選

決算直前に即効性のある対策9選の要点を整理した図

30万円未満の消耗品・備品購入

青色申告の中小企業者等が 30万円未満の減価償却資産を取得 した場合、 年間300万円まで全額損金算入できます(租税特別措置法67条の5) 令和8年度改正で40万円未満に拡充予定。

短期前払費用の年払い一括計上

継続適用を条件に、 翌期以降1年以内の費用を年払いで当期損金算入できます(法人税基本通達2-2-14)

対象費用 具体例
家賃 事務所・店舗・社宅の賃料
保険料 火災保険・賠償責任保険・自動車保険
リース料 コピー機・電話機等のリース
会費 業界団体・同業組合の年会費
顧問料 弁護士・税理士の年間顧問料

未払費用の計上

決算日時点で役務提供を受けているが未払いの費用は、 未払費用として当期損金に計上 可能です

  • 従業員の未払給与(決算日前後の給与締日)
  • 社会保険料の未払分(事業主負担分)
  • 水道光熱費の未払分
  • 通信費の未払分
  • リース料の未払分

貸倒引当金の計上

中小企業者等は 一括評価金銭債権の法定繰入率による貸倒引当金 を計上できます

業種 法定繰入率
卸売・小売業(飲食店業含む) 1,000分の10(1.0%)
製造業 1,000分の8(0.8%)
金融・保険業 1,000分の3(0.3%)
割賦小売業 1,000分の13(1.3%)
その他 1,000分の6(0.6%)

役員報酬の最適化(翌期開始3か月以内)

役員報酬は 定期同額給与 が原則で、 改定は事業年度開始から3か月以内に限られます 決算直前では改定できませんが、翌期の節税設計のために検討を開始する絶好のタイミングです。

固定資産の修繕費処理

固定資産の修繕費は、 資本的支出と修繕費の区分により税務処理が変わります 決算前に修繕を実施し 3年周期以内の維持修繕・20万円未満の修繕 として処理することで当期損金化できます。

交際費の年払い計上

中小企業者等は 年間800万円まで交際費の損金算入 が可能です(租税特別措置法61条の4) 決算前に取引先接待の未払計上を整備することで損金算入額を最大化できます。

売上の期ずれ処理

役務の提供・商品の引渡しが翌期になる売上は、 翌期計上 が適切です ただし仮装した期ずれは重加算税の対象となるため、実際の引渡し・役務提供日を明確にすることが必須です。

法人保険の年払い一括計上

長期平準定期保険・終身保険等の年払い保険料は、 年払いにより 当期一括損金算入 が可能です(損金算入割合は返戻率による)

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繰延型節税と恒久型節税の使い分け

繰延型節税と恒久型節税の使い分けの要点を整理した図

繰延型節税の出口設計が生命線

繰延型節税は支出時点で損金、将来解約時に益金計上されるため、 「出口」で益金を相殺する損金の用意 が不可欠です 税理士が顧問先に提案する際の基本ロジックは次の通りです。

繰延商品 典型的な出口 相殺損金
経営セーフティ共済 社長退任時 役員退職金
長期平準定期保険 社長退任時 役員退職金
オペレーティングリース リース期間終了時 設備投資・退職金
中小企業倒産防止共済 大型設備投資時 減価償却費

恒久型節税は完全に税金が消える

恒久型節税は 支出時損金→将来の益金相殺なしで完全に税負担が軽減されます 主要な恒久節税策は次の通りです。

恒久節税策 節税効果 キャッシュアウト
役員退職金 退職所得の実効18-20%で分離課税 退職金額
少額減価償却資産 全額即時損金 設備購入額
賃上げ促進税制 賃上げ額の最大45%税額控除 賃上げ額
研究開発税制 試験研究費の12%税額控除 試験研究費
事業承継税制 贈与税・相続税の納税猶予 なし

ROI(節税効率)での判断基準

節税対策は 「節税額÷キャッシュアウト額」で効率を評価します

節税効率(ROI)計算例

  • 少額減価償却資産30万円×10台:300万円損金→90万円節税、キャッシュアウト300万円→ROI 30%
  • 経営セーフティ共済年240万円:240万円損金→72万円節税、キャッシュアウト240万円→ROI 30%(ただし40か月後100%返戻)
  • 賃上げ促進税制(賃上げ3%+教育訓練10%):賃上げ300万円→税額控除120万円、キャッシュアウト300万円→ROI 40%
  • 役員退職金1億円:1億円損金→3,000万円節税+個人2,700万円節税=5,700万円、キャッシュアウト1億円→ROI 57%

利益水準別の戦略パターン

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

利益規模 推奨戦略 主な対策
年間利益500万円以下 恒久節税中心 少額減価償却、賃上げ促進、中小企業投資促進
年間利益500〜2,000万円 繰延+恒久のバランス 経営セーフティ共済、小規模企業共済、法人保険
年間利益2,000〜5,000万円 大型繰延+事業承継準備 長期平準定期保険、オペレーティングリース
年間利益5,000万円超 総合節税+出口設計 上記全+役員退職金準備+事業承継税制

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税理士が顧問先に提案すべき黄金パターン

税理士が顧問先に提案すべき黄金パターンの要点を整理した図

小規模法人(従業員5〜10名)向け黄金パターン

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  1. 少額減価償却資産30万円未満の消耗品購入(年300万円枠)
  2. 経営セーフティ共済 月10万円(年120万円)加入
  3. 小規模企業共済 月7万円(年84万円)加入(個人側)
  4. 短期前払費用(家賃年払い・保険料年払い)
  5. 社員旅行・健康診断の実施
  6. 賃上げ促進税制の活用

想定節税効果:年間120〜200万円

中規模法人(従業員50〜100名)向け黄金パターン

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  1. 中小企業経営強化税制による設備投資(100%即時償却)
  2. 経営セーフティ共済 月20万円(年240万円)加入
  3. 長期平準定期保険(役員退職金準備)
  4. 賃上げ促進税制の最大活用(45%税額控除)
  5. 研究開発税制の活用
  6. 決算賞与の支給
  7. 確定拠出年金(DC)の導入

想定節税効果:年間500〜1,500万円

大規模法人(従業員100名超)向け黄金パターン

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  1. 特定生産性向上設備投資促進税制(R8新設・建物含む)
  2. オペレーティングリース(高額利益年対策)
  3. 確定給付企業年金(DB)・DC併用
  4. 事業承継税制の活用
  5. 役員退職金のセット設計
  6. M&A関連税制の活用
  7. 連結納税・グループ通算制度の検討

想定節税効果:年間2,000〜5,000万円以上

決算対策でやってはいけないNGパターン10選

決算対策でやってはいけないNGパターン10選の要点を整理した図
税務調査で否認されると本税+加算税+延滞税で3〜4倍の追徴

仮装経理・架空取引の計上

実態のない取引を計上する仮装経理は 重加算税35% の対象となり、 最悪の場合は脱税として刑事罰も課されます 税務調査では銀行取引明細・契約書・納品書との照合で必ず発覚します。

棚卸資産の意図的過小評価

期末在庫を意図的に少なく計上する行為 棚卸リストとの照合、翌期の売上との対応で容易に発覚します。

売上計上の先送り

期末間際の売上を翌期に繰り越す行為 検収書・納品書・請求書の日付と整合しないため税務調査で指摘されます。

翌期費用の当期計上(前倒し計上)

本来翌期に発生する費用を当期に計上する行為 短期前払費用の要件を満たさない前払は否認対象です。

実質伴わない関連会社取引

グループ内での利益移転(移転価格)は、 客観的な取引価格との乖離があれば否認されます 同族会社行為計算否認規定(法人税法132条)の対象です。

個人的支出の経費化

社長個人の生活費・家族旅行・個人資産購入などを経費化する行為 カード明細・領収書の内容確認で発覚します。

家族従業員への過大給与

同族会社行為計算否認規定により、 家族従業員への過大給与は否認されます 従事実態・類似事例との比較で評価されます。

実在しない従業員への給与計上

架空人件費は 重加算税対象の悪質な仮装行為です 給与支払報告書・住民税特別徴収・社会保険届出との照合で100%発覚します。

節税目的だけの不要な保険加入

解約返戻率50%未満で全額損金のみを狙った保険加入は、 長期的にキャッシュを失う取引となります 令和元年の通達改正以降は損金算入制限も厳格化されています。

短期的節税でキャッシュを悪化させる対策

30%節税のために100%キャッシュアウトする対策は、 70%の資金が無駄になります 節税効率と資金繰りのバランスが最重要です。

業種別・規模別の決算対策ポイント

業種別・規模別の決算対策ポイントの要点を整理した図

建設業

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 工事進行基準と工事完成基準の選択
  • 未成工事支出金の適正計上
  • 建設業保証金の一時損金処理
  • 建設機械の特別償却・税額控除

製造業

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 中小企業経営強化税制による設備投資
  • 研究開発税制の活用
  • 製造仕掛品の評価
  • 工場建屋の修繕費処理

卸売・小売業

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 棚卸資産の評価損(陳腐化・破損)
  • 貸倒引当金の法定繰入率1.0%の最大活用
  • 販売促進費・広告宣伝費の計上
  • 什器備品の少額減価償却特例

サービス業

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 人件費の決算賞与・賃上げ促進税制
  • ソフトウェア投資の少額減価償却
  • 研修費・人材育成費の損金算入
  • オフィス移転時の除却損

IT・SaaS業

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 研究開発税制の最大活用
  • クラウドサービス利用料の一括損金
  • エンジニア採用の賃上げ促進税制
  • 特定生産性向上設備投資促進税制(R8新設)

医療・介護

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 医療機器の中小企業経営強化税制
  • 介護ロボットの特別償却
  • 医療法人の社員数・役員賞与規制
  • 社会保険診療報酬の概算経費控除

令和6〜8年度税制改正の影響と対応策

令和6〜8年度税制改正の影響と対応策の要点を整理した図

令和6年度改正(主要ポイント)

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 賃上げ促進税制の拡充:中小企業最大45%税額控除
  • 経営セーフティ共済:解約後2年間の再加入後掛金が損金不算入
  • 交際費課税の特例延長:年800万円定額控除
  • 研究開発税制の拡充:オープンイノベーション型の優遇

令和7年度改正(施行内容)

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 少額減価償却資産の期限延長:令和8年3月31日まで
  • 中小企業経営強化税制の延長
  • デジタル化投資促進税制

令和8年度改正(新設・拡充)

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

  • 少額減価償却資産特例:30万円→40万円に拡充、R11年度末まで延長、従業員300人以下に厳格化
  • 特定生産性向上設備投資促進税制:新設、建物・構築物も対象
  • 中小企業経営強化税制の見直し

税制改正への対応戦略

要件・証拠・資金繰りを一体で確認することが重要です

改正内容 顧問先への提案
R8少額減価償却40万円拡充 R8.4以降の設備購入を優先、35〜40万円帯の設備検討
R8特定生産性向上設備投資促進税制 建物投資を2026年以降に集中
賃上げ促進税制45% 教育訓練費の計画的増加、子育て支援制度導入
経営セーフティ共済改正 解約前の退職金等相殺計画

税理士からよくある質問(FAQ)

税理士からよくある質問(FAQ)の要点を整理した図

決算対策の開始時期はいつがベスト?

理想的には 事業年度開始時から計画開始、 決算3か月前から本格実施 です 決算1か月前では打てる手が限られ、決算直前では未払計上・短期前払程度しかできません。年間を通じた計画実施で最大効果を狙います。

赤字決算でも節税対策は必要?

赤字でも 青色申告の欠損金繰越控除(10年間) を最大化するため、 適正な損金計上は重要です また翌期以降の黒字化に備え、貸倒引当金・棚卸評価損の計上でさらに欠損金を拡大することで、将来の黒字期の税負担を軽減できます。

消費税の節税対策は?

消費税は 課税売上割合・ 簡易課税選択・原則課税選択 の3つで効果が大きく変わります 設備投資予定があれば原則課税選択で還付を狙い、簡易課税有利なら選択届出書の提出を検討します。インボイス制度(2023.10〜)により適格請求書発行事業者の選択も重要です。

税務調査で指摘されやすい項目は?

税務調査の重点項目は①売上計上の期ずれ、②役員報酬・退職金の妥当性、③交際費の業務関連性、④家族従業員の給与、⑤棚卸資産の評価、⑥外注費と給与の区分、⑦現金取引の証憑、 ⑧在庫実地棚卸の有無です これらへの事前対応で調査リスクを大幅に下げられます。

決算予測と節税シミュレーションは誰が作る?

通常は 顧問税理士が決算2〜3か月前に中間試算 を作成し、 節税対策の選択肢を提示します 税理士と経営者が協議し、キャッシュフロー・経営計画と整合する対策を選択する流れが基本です。

海外子会社がある場合の決算対策は?

移転価格税制・外国子会社 配当益金不算入制度・外国税額控除・タックスヘイブン対策税制(CFC税制)など特有の論点があります 専門家(国際税務担当税理士)との連携が必須です。

スタートアップの決算対策は?

設立間もない法人は 繰越欠損金活用と税額控除の選択 が基本戦略です R&D税制・研究開発税制・エンジェル税制(投資家向け)・イノベーションボックス税制(令和7年新設)などが有効です。

翌期への繰越とは何?

今期の節税策として活用できなかった税額控除は 翌期以降に繰越可能なものがあります

  • 賃上げ促進税制:5年繰越
  • 研究開発税制:1年繰越
  • 中小企業経営強化税制:なし(当期のみ)
  • 欠損金:青色10年繰越、白色5年繰越

事業承継を控えた決算対策は?

事業承継税制の適用を視野に、 自社株評価の引下げ (類似業種比準・純資産価額)と 後継者への計画的な権限移譲 が重要です 退職金支給による純資産減額、役員報酬の後継者への配分増、設備投資による自社株評価圧縮などが定石です。

節税のために法人成りすべき?

個人事業主から法人成りの目安は 課税所得800万円以上 です 法人税率と所得税率の逆転点に加え、①社長報酬の給与所得控除、②社宅・旅費規程等の法人経費、③役員退職金の出口、④消費税2年免税(一定条件)、⑤対外信用向上などメリット多数。ただし社会保険加入義務・均等割負担・設立コストを考慮した総合判断が必要です。

節税商品の選び方は?

節税商品は ①合法性、②キャッシュフロー、③出口戦略、 ④顧問先適合性 の4点で評価します 法人保険・オペレーティングリース・経営セーフティ共済・DB/DCなど、出口までを含む長期プランでの評価が必須です。

決算対策で最もコスパがいいのは?

コストパフォーマンス最強は 賃上げ促進税制 です 賃上げ額の最大45%が税額控除(完全恒久節税)で、従業員満足度・採用競争力の向上も得られます。次点は役員退職金(法人・個人トータル節税率57%)です。

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出典: 国税庁|税について調べるe-Gov法令検索財務省|税制


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