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個人事業主の営業補償金に税金はかかる?事業所得を整理

個人事業主の営業補償金に税金はかかる?事業所得を整理

個人事業主が収用や事故で営業補償金を受け取ると、土地の対価とは別に、失われた売上・利益を補う部分は原則として事業所得等の総収入金額に入ります。補償対象期間、計上年、実際の必要経費を分け、5,000万円特別控除の対象と混同しないことが重要です。

公共事業による収用・立退きで、個人事業主が営業補償金や収益補償金を受ける場面を扱います。事故相手や損害保険から受ける休業補償、給与所得者の休業損害、法人、傷害の慰謝料は別判定です。制度の適用は取引条件で変わるため、契約前と申告前に税理士等へ確認してください。

営業補償の申告資料

  • 補償契約書と算定明細
  • 休業期間と売上・固定費の記録
  • 移転費用など他の補償項目
  • 事業所得と必要経費の集計表
この記事の結論

営業の減収や損失を補う収益補償金は、元の事業の態様に応じて事業所得、不動産所得または雑所得へ算入します。収用日と立退日が異なる場合の収入時期、建物再取得価額不足による対価補償への振替、消費税の対価性を個別に確認します。

  • 営業補償を土地建物の対価から分ける
  • 元の事業に応じて事業・不動産・雑所得へ入れる
  • 補償期間と立退日から収入年を確認する
  • 補償額と実際の必要経費を総額で記帳する

営業補償は、失われた事業収益を補う部分と、移転・仮店舗などの実費を補う部分を分けます。補償算定書の利益率や固定費は補償額を決めるための計算であり、確定申告の必要経費は実際の帳簿と証憑で計上します。補償額と支出額を相殺せず、総収入と必要経費を別々に記録します。

収用日、営業停止日、立退日、入金日が年をまたぐ場合は、収入計上年の取扱いを確認します。高額な補償が一年度へ集中すると所得税・住民税だけでなく翌年の予定納税や保険料にも影響するため、移転投資へ使う前に税額試算と納税資金の留保を行います。

目次

営業補償金は失った事業収益を補うお金

営業補償金は失った事業収益を補うお金

土地や建物の売却代金ではなく、休業・移転で減った利益等を補塡します。

算定書から補償対象を特定する

売上減少、固定費、営業再開費、得意先喪失などの内訳を確認します。 公共事業の補償算定書から、休業・減収・固定費の対象期間を特定します。

起業者や保険会社の算定期間を月次帳簿へ重ねます。

対価補償金と入金時から分ける

振込が一括でも補償明細どおりに仕訳と申告を分けます。

土地建物対価と営業補償は所得区分が異なります。 土地建物の対価補償は、営業補償と別の所得区分で申告します。

収益補償金は事業所得等の総収入になる

収益補償金は事業所得等の総収入になる

非課税の損害賠償金という一般論だけで処理できません。

元の所得区分へ対応させる

直近の確定申告書と青色申告決算書で区分を確認します。

店舗営業なら事業所得、賃貸収入なら不動産所得など、補償対象となった活動を見ます。 営業補償は、元の事業が事業・不動産・雑所得のどれかに対応させます。

総収入金額への算入漏れを防ぐ

雑収入で記帳しても、申告上の事業所得へ含める必要があります。 雑収入で記帳しても、青色申告決算書の総収入へ漏れなく反映します。

補償金専用の補助科目を設け、年末に支払調書等と照合します。

収益補償金は、補償対象となった事業の態様に応じて事業所得、不動産所得または雑所得の総収入金額へ算入します。

出典:国税庁 No.3555

個人事業者が収益や必要経費の補塡として受ける損害賠償金は課税対象となり、事業所得の収入になる場合があります。

出典:国税庁 No.2201

収入時期は収用日・立退日・確定日を確認する

収入時期は収用日・立退日・確定日を確認する

補償金の権利確定と営業停止の時期が年をまたぐ場合があります。

立退日への繰延べ取扱いを検討する

収用日、明渡期限、実際の立退日、支払日を時系列にします。

一定の収益補償金は、申出により立退日の属する年へ算入できる取扱いがあります。 立退年への算入は、収用に伴う補償で所定の申出をした場合に限ります。

事故補償は示談成立も確認する

請求書、示談書、判決、入金明細から確定年を文書化します。

事故相手との賠償では、責任と金額の確定時期を見ます。 事故や保険の休業補償は、本記事の立退年取扱いをそのまま使いません。

建物対価が不足する場合は例外を検討する

建物対価が不足する場合は例外を検討する

一定の収用では、収益補償の一部を建物の対価補償として扱える場合があります。

再取得価額と建物補償額を比べる

収用された建物の再取得価額に対価補償金が満たないか計算します。 建物再取得価額不足による振替は、所定の不足額を客観的に計算します。

見積書、評価書、補償額算定書をそろえます。

任意額だけを振り替えない

5,000万円控除額に合わせた恣意的配分は避けます。

対価補償への振替は通達上の不足額までの全額など所定の方法によります。 5,000万円控除額に合わせて営業補償を任意配分しないでください。

補償期間の必要経費を同じ帳簿で計上する

補償期間の必要経費を同じ帳簿で計上する

営業補償金を受けても、実際に負担した費用は要件に沿って必要経費になります。

固定費と臨時費用を分ける

補償算定額ではなく実際の支出証憑で必要経費を計上します。

賃料、人件費、リース料と、仮店舗・移転広告などの臨時費用を区分します。 補償算定額ではなく、実際に負担した固定費を証憑から経費計上します。

収入と費用を相殺表示しない

営業補償金と支出を総額で帳簿に残します。 補償金と仮店舗費を相殺すると、総収入と必要経費を誤ります。

青色申告決算書の雑収入と費用科目へそれぞれ反映します。

一定の収益補償金は、申出により収用日ではなく立退日の属する年分の事業所得等へ算入できる取扱いがあります。

出典:国税庁 措置法通達33-32

建物再取得価額不足による対価補償への振替は、任意の一部ではなく所定の不足額まで行います。

出典:国税庁 収益補償金の振替可否

消費税は営業補償の対価性を確認する

消費税は営業補償の対価性を確認する

所得税で事業所得に入ることと、消費税の課税売上になることは別です。

損失補塡なら対象外を検討する

補償契約に協力義務や役務提供がないか確認します。

減収や損失を補うだけで役務提供の対価でなければ、通常は消費税対象外です。 営業補償が事業所得でも、対価性がなければ消費税は通常対象外です。

課税取引の追加代金を切り分ける

請求内容と契約上の反対給付を基準に税区分を決めます。

売買・請負の価格調整なら補償名目でも課税売上になる場合があります。 移転協力など役務の対価が含まれる場合は、契約部分を切り分けます。

高額受領年は所得税と予定納税を試算する

高額受領年は所得税と予定納税を試算する

営業補償が一年度に集中すると累進税率や翌年の資金繰りへ影響します。

他の事業所得と合算する

通常営業の利益・損失、青色申告特別控除、損失繰越と合わせます。 高額受領年は所得税・住民税・予定納税まで資金表へ入れます。

所得税、復興特別所得税、住民税、国民健康保険料を概算します。

翌年の予定納税を資金表へ入れる

移転投資へ使う前に納税留保額を確保します。

一時的な所得増でも予定納税額が上がることがあります。 移転費へ全額を使う前に、翌年の納税留保額を確保します。

契約前に補償内訳と申告資料をそろえる

契約前に補償内訳と申告資料をそろえる

署名後に営業補償を土地対価へ付け替えることはできません。

算定根拠へ質問を返す

不明な項目は起業者へ書面で照会します。

補償期間、利益率、固定費、廃業・移転前提を確認します。 収用証明と補償明細は、確定申告書の所得区分までひも付けます。

受領後は案件別ファイルを完成させる

補償契約、収用証明、帳簿、領収書、申告書を一つにまとめます。 事故・保険による休業補償は119の記事で別に確認してください。

税務調査で金額と所得区分を再現できる状態を保ちます。

営業減収を補う収益補償金は、原則として収用特例の対象となる対価補償金とは区分します。

出典:国税庁 No.3555 収益補償金

損害の補塡で資産譲渡等の対価ではない金銭は、消費税の課税対象になりません。

出典:国税庁 No.6157

個人事業主の営業補償金と税金でよくある質問

個人事業主の営業補償金と税金でよくある質問

営業補償金は5,000万円控除の対象ですか?

原則として収益補償金は対象外です。建物再取得価額不足など所定の例外を確認します。

営業補償金は非課税の損害賠償金ではありませんか?

事業の減収や必要経費を補う金額は、事業所得等の収入になるのが基本です。

入金した年に全額計上しますか?

権利確定時期を確認します。収用では一定の申出により立退年へ算入できる取扱いもあります。

営業補償金に消費税はかかりますか?

純粋な損失補塡で対価性がなければ通常は対象外です。契約内容で判断します。

補償名目より実際に何の減収・損失・費用を補うかを基準に所得区分を判断します。

出典:国税庁 No.3555 所得区分

仮店舗賃料など必要経費を補う損害賠償金も事業所得の収入金額となる例が示されています。

出典:国税庁 No.2201 具体例

営業補償金の所得区分と手取りを確認します

補償期間、計上年、必要経費、特例可否を契約前に整理します。個別の税務判断と申告は税理士が確認します。

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