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会社売却時のオーナー貸付金返済と税金|元本・利息・株価を分ける

会社売却時のオーナー貸付金返済と税金|元本・利息・株価を分ける

会社へ貸した資金の元本返済は、通常、株式譲渡代金や利息とは別の資金移動です。ところがM&Aでは、貸付金をクロージング前に返すか、買主へ譲渡するか、株価へ反映するかで手取りと税務が変わります。

本記事は、会社売却 オーナー貸付金 返済 税金を検討する個人オーナーの実務を中心に扱います。 制度の適用は取引条件で変わるため、契約前と申告前に税理士等へ確認してください。

貸付金返済前にそろえる資料

  • 金銭消費貸借契約書と残高明細
  • 元本・未払利息・返済履歴
  • 会社の返済原資と資金繰り
  • 株式譲渡契約との対価区分
目次

会社の役員借入金であることを確認する

会社の役員借入金であることを確認する

最初に「会社側の役員借入金を特定する」を確認します。

会社側の役員借入金を特定する

最初に「会社側の役員借入金を特定する」を確認します。 会社が役員へ貸す役員貸付金と方向を取り違えず、総勘定元帳と残高確認書を照合します。

オーナーから会社への貸付けは、オーナー側では貸付金、会社側では役員借入金です。 貸付実行時の銀行明細までさかのぼると、真正な元本であることを説明しやすくなります。

勘定科目の向きをそろえる

確認項目は「勘定科目の向きをそろえる」です。 貸主と借主を逆にすると税務判断も逆になります。

個人の貸付金残高と会社の役員借入金残高を同額にし、役員貸付金を除外します。

個人が行う金銭の貸付けによる所得は、事業規模でない限り、原則として雑所得に該当します。

出典:国税庁 所得税基本通達 法第35条関係

貸付金利息は、その年に対応する利息を収入金額へ計上する時期が定められています。

出典:国税庁 所得税基本通達 収入金額

元本返済は利益部分と分ける

元本返済は利益部分と分ける

最初に「真正な元本の返済額を確定する」を確認します。

真正な元本の返済額を確定する

最初に「真正な元本の返済額を確定する」を確認します。 仮払金や役員報酬を貸付金へ振り替えた履歴がないかも確認します。

契約と送金記録で裏付けられた貸付元本を同額返す範囲は、通常、個人の新たな所得ではありません。

返済額を元本と利息に分ける

確認項目は「返済額を元本と利息に分ける」です。 元本を超える入金をすべて非課税返済にしないでください。

返済明細には元本、当期利息、過年度未払利息を別行で記載します。

利息は個人の所得として計算する

利息は個人の所得として計算する

最初に「未払利息を元本と分ける」を確認します。

未払利息を元本と分ける

最初に「未払利息を元本と分ける」を確認します。 返済額の内訳を元本・当期利息・過年度未払利息に分け、収入計上時期を確認します。

個人が受ける貸付金利息は、事業規模でなければ一般に雑所得として扱います。

利息の収入年を確認する

確認項目は「利息の収入年を確認する」です。 雑所得の収入時期は契約と回収状況で検討します。

契約上の支払日と実際の入金日、未収計上の有無を確認します。

株式譲渡代金は株式の譲渡所得等として計算し、貸付金の元本返済や利息とは区分します。

出典:国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税

株式の取得費は株式譲渡益の計算要素であり、会社への貸付残高を株式取得費へ混ぜません。

出典:国税庁 No.1464 譲渡した株式等の取得費

株式譲渡代金と貸付金を区分する

株式譲渡代金と貸付金を区分する

最初に「株価と貸付金返済を二重計上しない」を確認します。

株価と貸付金返済を二重計上しない

最初に「株価と貸付金返済を二重計上しない」を確認します。 買収価格がデットフリー前提なら、役員借入金が株価から控除されるか、買主が引き継ぐかを価格算定式で確認します。

株式譲渡価額とオーナー貸付金返済は別の支払です。

株価算定表から借入金調整を追う

確認項目は「株価算定表から借入金調整を追う」です。 株価と返済額の両方へ同じ債務を反映させないでください。

株式価値から役員借入金を控除した上で別途返済する設計かを確認します。

返済か債権譲渡かを契約で決める

返済か債権譲渡かを契約で決める

最初に「返済・債権譲渡・買主引受けを選ぶ」を確認します。

返済・債権譲渡・買主引受けを選ぶ

最初に「返済・債権譲渡・買主引受けを選ぶ」を確認します。 買主への債権譲渡なら譲渡価格と貸付元本の差額、買主引受けなら契約上の債務者・弁済条件を整理します。

クロージング前返済なら会社に資金が必要です。

債権譲渡価格を契約に明記する

確認項目は「債権譲渡価格を契約に明記する」です。 株式譲渡契約の一文だけで債権まで移したことにしないでください。

買主が貸付金を取得するなら、譲渡対象債権、価格、利息、通知方法を定めます。

金銭消費貸借では借主が同種同等同量の返還義務を負うため、契約と残高の立証が重要です。

出典:e-Gov 民法

債務免除を受けた法人では、免除益が益金となるかを検討する必要があります。

出典:e-Gov 法人税法

債務免除は会社側課税も確認する

債務免除は会社側課税も確認する

最初に「債務免除を安易に選ばない」を確認します。

債務免除を安易に選ばない

最初に「債務免除を安易に選ばない」を確認します。 会社の欠損金、債務超過、株主間の価値移転も含めて事前に税理士が検討します。

オーナーが貸付金を放棄すると、会社側に債務免除益が生じる可能性があります。

免除前後の会社純資産を比較する

確認項目は「免除前後の会社純資産を比較する」です。 返済不要になる利点だけで債務免除を選ばないでください。

免除益の法人税、欠損金利用、他株主への価値移転を数値で確認します。

残高確認書と入出金を突合する

残高確認書と入出金を突合する

最初に「残高確認書をクロージング日に合わせる」を確認します。

残高確認書をクロージング日に合わせる

最初に「残高確認書をクロージング日に合わせる」を確認します。 相殺や追加貸付けがある場合は実行日までの日次増減表を作ります。

契約書、銀行明細、借入金内訳書、総勘定元帳の期末残高を一致させます。

クロージング残高確認書を作る

確認項目は「クロージング残高確認書を作る」です。 期末残高を実行日にそのまま流用しないでください。

最終貸付、相殺、返済を反映した残高を双方が署名できる形にします。

返済後の運転資金を買主と合意する

返済後の運転資金を買主と合意する

最初に「返済後の運転資金を残す」を確認します。

返済後の運転資金を残す

最初に「返済後の運転資金を残す」を確認します。 返済額、株価調整、買主追加出資を同じ資金繰り表で比較します。

貸付金を全額返すと会社の現預金が減り、買主が求める正常運転資金を下回ることがあります。

返済後の最低現金を置く

確認項目は「返済後の最低現金を置く」です。 全額返済で事業継続資金を不足させないでください。

給与、仕入、税金の支払予定から必要運転資金を算定し、返済上限を決めます。 最終的な手取り表では、株式代金、貸付元本返済、利息、債権譲渡代金を別行にします。会社側では同じ日付の現預金、役員借入金、支払利息を更新し、買主の価格調整表と一致させます。返済後に必要運転資金を下回る場合は、返済額または実行順序を見直します。契約書がない古い貸付けは、当時の振込記録、取締役会議事録、法人税申告書の内訳書から成立経緯を復元します。利息を長年計上していない場合も、過年度処理を税理士と確認します。

法人税申告では借入金と支払利子の内訳を明細書で管理します。

出典:国税庁 法人税申告書別表等

利息の支払時に源泉徴収が必要かは、受取人の居住区分と所得税法上の対象区分を確認して判定します。

出典:e-Gov 所得税法

会社売却時のオーナー貸付金返済と税金でよくある質問

会社売却時のオーナー貸付金返済と税金でよくある質問

元本返済にも所得税がかかりますか?

真正な貸付元本を同額返す範囲は通常新たな所得ではありません。利息は分けます。

貸付金を買主へ売れますか?

可能ですが譲渡価格、元本との差額、債務者の承諾や契約条件を確認します。

貸付金を放棄すれば株価は上がりますか?

会社価値に影響しても、会社側の債務免除益など別の税務が生じ得ます。

全額返済してから売るべきですか?

正常運転資金と価格調整次第です。返済・引継ぎの手取りを比較します。

M&A前の税額と手取りを一つの表に整理します

取引の型、課税時期、取得費、入金と納税時期を確認し、実行前に比較します。 個別の税務判断と申告は税理士が確認します。

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