繰越欠損金の計算例|中小法人と50%制限を数字で比較

繰越欠損金の計算は、当期利益ではなく申告調整後の控除前所得、法人区分、年度別残高から行います。中小法人の100%控除と一般法人の50%制限を、別表七へつながる数字例で整理します。
- 控除前所得を会計利益から計算する
- 中小法人の100%控除を数字で確認する
- 一般法人の50%制限を同じ数字で比べる
- 複数年度の欠損金を古い順に充当する
控除前所得を会計利益から計算する

控除前所得を会計利益から計算するを誤らないため、原則と例外を一次資料で照合します。
税引前利益をそのまま使わない
例として税引前利益1,200万円に交際費加算100万円、減価償却超過50万円、受取配当益金不算入50万円があると、控除前所得は1,300万円です。税引前利益をそのまま使わないが最初の分岐です。
欠損金控除前の税務所得を先に固めます。
別表四の加算・減算を科目別に検算する
会計利益へ永久差異と一時差異を反映し、留保・社外流出も確認します。別表四の加算・減算を科目別に検算するまで記録に残します。
繰越欠損金を先に差し引かず、別表七へ渡す控除前所得を確定します。
中小法人の100%控除を数字で確認する

中小法人の100%控除を数字で確認するは税額だけでなく、資金繰りと翌期への影響も含めて判断します。
所得1,300万円と欠損金2,000万円なら全額控除できる
一定の中小法人等で控除前所得が1,300万円、利用可能な欠損金が2,000万円なら、当期控除額は1,300万円、課税所得はゼロ、翌期繰越額は700万円となる計算です。所得1,300万円と欠損金2,000万円なら全額控除できるが最初の分岐です。
一定の中小法人等で控除前所得が1,300万円、利用可能な欠損金が2,000万円なら、当期控除額は1,300万円、課税所得はゼロ、翌期繰越額は700万円となる計算です。
控除額を所得金額と欠損金残高の小さい方にする
別表七では控除前所得1,300万円、控除未済欠損金2,000万円、当期控除1,300万円、翌期700万円とつなげます。控除額を所得金額と欠損金残高の小さい方にするまで記録に残します。
地方税の欠損金管理は制度差も確認します。
青色申告事業年度に生じた欠損金は、連続して確定申告書を提出するなどの要件の下で10年間の繰越控除を検討します。 適用した資料の版と確認日を保存してください。
欠損金の控除額と翌期繰越額は別表七(一)で事業年度別に管理し、所得金額や中小法人等の判定と整合させます。 個別事情は申告・契約前に専門家へ確認します。
一般法人の50%制限を同じ数字で比べる

一般法人の50%制限を同じ数字で比べるでは、適用条件と必要証拠を同じ基準日で確認します。
欠損金が十分でも所得の半分が残る
中小法人等に該当しない通常の法人では、控除限度額が原則として控除前所得の50%です。欠損金が十分でも所得の半分が残るが最初の分岐です。
同じ所得1,300万円なら控除額650万円、課税所得650万円、翌期繰越欠損金1,350万円となります。
法人区分の判定資料を計算例へ添付する
資本金、株主構成、大法人支配の有無を確認し、100%と50%のどちらを使ったかを記録します。法人区分の判定資料を計算例へ添付するまで記録に残します。
期中の資本取引がある場合は判定時点も確認します。
複数年度の欠損金を古い順に充当する

複数年度の欠損金を古い順に充当するは、名称ではなく契約・実績・申告書の順に整理します。
期限が早い残高から控除する
2019年度500万円、2020年度900万円、2021年度600万円の欠損金があり、当期控除額1,300万円なら、2019年度500万円と2020年度800万円を使い、残額は2020年度100万円と2021年度600万円です。期限が早い残高から控除するが最初の分岐です。
2019年度500万円、2020年度900万円、2021年度600万円の欠損金があり、当期控除額1,300万円なら、2019年度500万円と2020年度800万円を使い、残額は2020年度100万円と2021年度600万円です。
年度別残高を別表七の行単位で更新する
一つの合計額だけを減らさず、発生年度ごとに当初額、控除済額、当期利用額を記入します。年度別残高を別表七の行単位で更新するまで記録に残します。
古い欠損金の期限と利用順序を申告ソフト上でも検算します。
欠損金の期限切れを計算に反映する

欠損金の期限切れを計算に反映するを誤らないため、原則と例外を一次資料で照合します。
利用年度の開始日前10年以内かを見る
10年という表現だけで西暦年を引くのではなく、欠損金が生じた事業年度の開始日と利用する事業年度の開始日で判定します。利用年度の開始日前10年以内かを見るが最初の分岐です。
平成30年4月1日前開始年度の9年ルールも区分します。
事業年度変更がある会社は日付で管理する
決算期変更、合併、短期事業年度がある場合は年度番号だけでなく開始日・終了日を記録します。事業年度変更がある会社は日付で管理するまで記録に残します。
期限切れ見込額を決算前試算表へ表示します。
欠損金の控除額と翌期繰越額は別表七(一)で事業年度別に管理し、所得金額や中小法人等の判定と整合させます。 自社の取引日と条件に置き換えて確認します。
青色申告事業年度に生じた欠損金は、連続して確定申告書を提出するなどの要件の下で10年間の繰越控除を検討します。 適用した資料の版と確認日を保存してください。
繰戻還付の数字例と比較する

繰戻還付の数字例と比較するは税額だけでなく、資金繰りと翌期への影響も含めて判断します。
前期納税額があると早期回収できる場合がある
前期所得1,000万円に対する法人税を納付し、当期欠損金600万円が生じた一定の中小企業者等では、600万円を前期所得へ繰り戻して法人税還付を請求する選択肢があります。前期納税額があると早期回収できる場合があるが最初の分岐です。
前期所得1,000万円に対する法人税を納付し、当期欠損金600万円が生じた一定の中小企業者等では、600万円を前期所得へ繰り戻して法人税還付を請求する選択肢があります。
還付キャッシュと将来控除価値を比較する
前期法人税額を基礎に還付上限を計算し、繰越した場合の利用時期と税率を比較します。還付キャッシュと将来控除価値を比較するまで記録に残します。
地方法人税や地方税の扱い、還付請求に伴う確認資料も含めて意思決定します。
税効果会計の繰延税金資産を別計算する

税効果会計の繰延税金資産を別計算するでは、適用条件と必要証拠を同じ基準日で確認します。
欠損金額と貸借対照表計上額は一致しない
会計上は、将来の課税所得見込みや回収可能性に応じて繰越欠損金に係る繰延税金資産を計上します。欠損金額と貸借対照表計上額は一致しないが最初の分岐です。
税率を欠損金残高へ単純に掛けた全額を必ず資産計上できるわけではありません。
収益力とスケジューリングを監査資料にする
将来課税所得、解消年度、税率、評価性引当額を年度別に計算します。収益力とスケジューリングを監査資料にするまで記録に残します。
法人税申告上の欠損金残高と税効果会計の基礎差異を調整表でつなぎます。
決算予測へ計算例を置き換える

決算予測へ計算例を置き換えるは、名称ではなく契約・実績・申告書の順に整理します。
実績数字で毎月更新して納税額を読む
欠損金控除後の課税所得は、売上や費用の変動だけでなく申告調整と法人区分でも変わります。実績数字で毎月更新して納税額を読むが最初の分岐です。
決算直前の節税策を検討する前に、当期利用額と期限切れ額を更新します。
三つの利益シナリオで税額と残高を比較する
控除前所得が低位・標準・高位の場合について、欠損金利用額、課税所得、法人税、翌期残高を並べます。三つの利益シナリオで税額と残高を比較するまで記録に残します。
不要な支出で期限切れ欠損金を増やさないよう取締役会へ提示します。
青色申告事業年度に生じた欠損金は、連続して確定申告書を提出するなどの要件の下で10年間の繰越控除を検討します。 契約書、帳簿、公式資料を同じ基準日で照合します。
欠損金の控除額と翌期繰越額は別表七(一)で事業年度別に管理し、所得金額や中小法人等の判定と整合させます。 自社の取引日と条件に置き換えて確認します。
繰越欠損金 計算例でよくある質問

中小法人の控除額はどう計算しますか
利用可能な欠損金と控除前所得の小さい方が基本です。
一般法人は欠損金を半分しか使えませんか
原則として控除前所得の50%が限度ですが例外もあります。
複数年度分は新しい欠損金から使いますか
原則として古い事業年度の欠損金から順に控除します。
会計上の赤字と欠損金は同じですか
申告調整後の税務上の金額なので一致しないことがあります。
青色申告事業年度に生じた欠損金は、連続して確定申告書を提出するなどの要件の下で10年間の繰越控除を検討します。 適用した資料の版と確認日を保存してください。
欠損金の控除額と翌期繰越額は別表七(一)で事業年度別に管理し、所得金額や中小法人等の判定と整合させます。 個別事情は申告・契約前に専門家へ確認します。
